【6月の聖句】主よ、お話しください。しもべは聞いております
旧約聖書・サムエル記上第3章9節
昔、ある町にサムエルという男の子がいました。その町には大きな礼拝堂があり、そこにはエリという年とった祭司さまがいました。毎日聖書を読んでみんなに神さまのことを教え、また困ったことがあったら一緒にお祈りをしてくださる優しい先生でした。サムエルはエリ先生が大好きで、やがてエリ先生のお手伝いをするようになりました。
サムエルの部屋は、エリ先生が守っている礼拝堂の隣の部屋でした。ある晩のこと、サムエルが寝ていると、「サムエル、サムエル」と呼ぶ声がしました。サムエルはエリ先生のところに走って行って言いました。
「先生、ご用ですか。呼ばれたので参りました。」
「わたしは呼んでいない。帰って寝なさい」
戻って寝ると、また「サムエル、サムエル」と呼ぶ声がしました。サムエルがまたエリ先生のところに走って行くと、「わたしは呼んでいない。早く寝なさい。」
サムエルが戻って寝ると、また呼ぶ声がしました。もう3回目です。急いでエリ先生のところに行きました。エリ先生はわかりました。これは神さまがサムエルを呼ばれたのだ、と。それでエリ先生は言いました。「今度もし呼ばれたら、『主よ、お話しください。しもべは聞いております。』と言いなさい。」
サムエルが戻って寝ていると、4度目にまた「サムエルよ、サムエルよ」と呼ぶ声がしました。サムエルは起きて、エリ先生に言われたとおりに返事しました。
「主よ、お話しください。しもべは聞いております。」
すると神さまの声が聞こえてきました。神さまはサムエルに大切なお話をしてくださいました。国中の人がけんかをやめて、みんなで助け合って一緒に幸せになってほしい。 サムエルはこうして神さまの声を聞く人になり、やがて大きくなって神さまの言葉を皆に伝える大事なお仕事をするようになりました。サムエルさんから神さまのお話を聞いた人は元気になれたのです。そうしてサムエルは神さまの言葉によってイスラエルの人々を励まし、守り導いたのでした。