【1月の聖句】恐れるな、わたしはあなたと共にいる。
旧約聖書・イザヤ書43:5、創世記28:15
遠い昔のお話です。あるところにエサウさんとヤコブさんという兄弟がいました。ふたりは双子でした。あるとき、ふたりは大げんかしました。お兄さんのエサウはものすごく怒りました。あまりにその怒り方がひどくて、エサウは弟のヤコブを殴り倒してしまいそうでした。心配したお母さんがヤコブに言いました。
「ヤコブや、エサウ兄さんの怒りがとけるまで、しばらく伯父さんの家に行っておいで」
ヤコブはお母さんからお弁当と水筒をもらって、伯父さんのところにたったひとりで行くことになりました。伯父さんの家は北の国で、とても遠くて歩いて何十日もかかります。
ヤコブがひとりずっと遠い道を歩いていくうちに、日が暮れて夜になりました。あたりはもう真っ暗で、家もなく、人もだれもいません。ヤコブはとても寂しくてこわくなりました。それで「神さま、どうか守ってください。伯父さんの家に無事に着くことができるようにしてください。今夜わたしを守ってください」と一生懸命祈ってやすみました。
するとヤコブは、眠っているうちに夢を見ました。すぐそばに階段があります。石の階段のようです。とても高くその階段は天まで、神さまのところまでつながっているようです。見ていると天使がその階段を上ったり下りたりしています。すると神さまの声が聞こえてきました。
「ヤコブよ、恐れるな、わたしはあなたと共にいる。」
「ヤコブよ、心配するな。いつか必ず、あなたをここまで連れて帰ってあげよう。けっしてあなたを見捨てたりしない。わたしが守っている。」
ヤコブは目を覚まして言いました。
「神さまがここにおられるのに、ぼくはそれを知らなかった。ここは神さまの家だ。」
ヤコブは起きて、枕にしていた石を立てて、神さまを礼拝しました。
そして旅を続けて、とうとう無事に伯父さんの家に着きました。
この礼拝堂も神さまの家です。
ヤコブを守ってくださった神さまが一緒にいて、皆のことも守ってくださいますように。