【10月の聖句】「互いに励まし合いなさい」

新約聖書・コリントの信徒への手紙2 第13章11節

 

園長先生コラム

 

遠い昔、赤ちゃんのモーセさんはエジプトのお姫さまに拾われ育てられて、エジプトの王子さまになっていました。でも自分がイスラエル人であることは知っていました。

すっかり大きくなっていたモーセさんがある日、町を歩いていると、エジプトの監督がイスラエルの人をひどくいじめています。モーセさんはイスラエルの人がかわいそうでとても腹が立って、「やめろ!」と言ってエジプトの監督を殴り倒してしまいました。

「モーセを捕まえろ」という声が聞こえます。モーセさんはもうエジプトにはいられなくなって、遠くミディアンというところまで逃げて、羊飼いになりました。毎日、イスラエルの人のことを心配していましたが、どうすることもできません。毎日お祈りしながら、長い長い年がたって、モーセさんはとうとう80歳のおじいさんになっていました。

ある日モーセさんは羊の群れを連れて、シナイ山という山に登っていきました。すると山の中に火が燃えていました。不思議に思って近づいてみると、「モーセよ、モーセよ」と呼ぶ声がします。神さまの声でした。「モーセさん、あなたはエジプトに帰って、イスラエルの人々をエジプトから助け出しなさい」

モーセさんはとても困って言いました。「神さま、わたしにはそんな力はありません。それにもうすっかり年を取っています」

すると神さまは言われました。「お前が持っているのは何か」「杖です」

「それを投げてみなさい」

投げると蛇になったのでびっくりしてモーセさんは飛びのきました。

「そのしっぽをつかんでみなさい。」つかむと、元の杖になりました。

「これがわたしがあなたと一緒にいるしるしだ。わたしはどんなことがあっても必ずあなたといっしょにいてあなたを守る。だから行きなさい。あなたの杖は、神の杖だ」

モーセさんは神さまからいただいた杖をしっかり握って、エジプトに戻っていきました。

神さまがモーセさんを励ましてくださったので元気が湧いてきたのですね。

 

神さまはわたしたちのことも励ましてくださいます。皆もお互いに励ましあって、明るい世界をつくっていきましょう。