シューベルト 合唱曲「詩編第23編」
6月19日(水)のマリア会(保護者対象の聖書の会)でシューベルトの合唱曲「詩編第23編」を聞きました。これはフランツ・シューベルトが、旧約聖書の詩編第23編(モーゼス・メンデルスゾーンによるドイツ語訳)に曲を付けたものです(1820年12月作曲 D706)。
詩編は旧約聖書の中にある祈りの詩集で、第23編は150ある詩編の中でもおそらく最も愛されてきたものです。個人の祈りとして、またイスラエル民族の礼拝の歌として用いられてきました。
モーゼス・メンデルスゾーンのドイツ語歌詞と、それをわたしがほぼ直訳したものをご紹介しました。ここには日本語のみ掲げます。
♪ 神はわたしの羊飼い、わたしには何も欠けることがない。
彼はわたしを緑の牧場に伏させ、
彼はわたしを静かな小川にともない、
彼はわたしの苦しむ魂を生き返らせてくださる。
彼はわたしを正しい道に導かれる、
彼の名があがめられるために。
そしてわたしは死の陰の谷を行く、
わたしは行く、恐れることなく。
なぜならあなたがわたしを守ってくださるから。
あなたの杖とあなたの支えが
わたしにとっていつまでもわたしの慰め。
あなたはわたしのために喜びの食事を用意してださる、
敵を前にしても。
あなたはわたしの頭に油を注ぎ
わたしの杯が溢れるほどに注ぎ入れてくださる。
救いと喜びはわたしにともなう、
この命のある限り。
いつかわたしは憩う、永遠に
そこに、永遠の家に
日本語にするとはっきりわからないのですが、ドイツ語歌詞で印象的なのは、神を“Du”(あなた)と呼んでいることです。家族、恋人、親しい友人の間でのみこの言葉は使われるそうです。普通の改まった関係では“Sie”が使われます。
ピアノ伴奏による女性コーラス。心が洗われるような美しい曲でした。
次回のマリア会は7月10日(水)9:30から。シューベルトのドイツミサ曲の一部を聞きたいと思います。