イエスの服にさわった女の人
♪手をのばして主にふれよう
という歌を知っていますか? 「主」とはイエスさまのことです。今日はほんとうに手を伸ばしてイエスさまに触った人のお話です。
ある女の人がいました。ずっと病気で、もう12年ものあいだ苦しんでいました。おなかが痛くて、そのうえ血が出るのです。いろんなお医者さんにかかったけれども、少しもよくなりませんでした。
「イエスさまが来られたよ!」という声がしました。
ひょっとしたらイエスさまなら自分の病気を治してくださるかもしれないと思って、外に出ました。とてもたくさんの人が集まっています。ずっと前のほうを見てみると、あれがイエスさまだ!とわかりました。それで女の人は後ろからついて行きました。いっぱいの人です。人に当たったりつまずいたりしながら、女の人はだんだんイエスさまに後ろから近づいて行きました。そして後ろからこっそり、イエスさまの着ておられる服に触りました。すると、おなかが楽になって、気持ちよくなって、元気が湧いてきました。「病気が治った!」 女の人はそのまま後ろを向いてそのまま帰ろうとしました。
ところがそのとき、イエスさまが立ち止まって振り向いて、「だれかがわたしの服に触ったね」と言われました。女の人はドキッととしました。
だれかが言いました。「イエスさま、こんなにたくさんの人なのに、だれが触ったかわかりませんよ」
「いや、たしかにわたしの服に触った人がいる」と言って、イエスさまは探しておられる様子でした。
女の人はこわくなって、進み出て「わたしです。わたしが触りました」と言いました。
イエスさまはその人を叱られるかなあ?
するとイエスさまはにっこりしてその女の人に言われました。
「わたしを信じてくれてよかった。安心していいよ。これからは元気でいなさいね。神さまがあなたをいつまでも守ってくださるように。」
女の人はとてもうれしかった。病気が治ったこともうれしかったし、それ以上に、やさしいイエスさまに出会えたことがうれしかった。元気が出ました。イエスさま、ありがとうございます。イエスさまに出会えたことは、その人には一生の宝になりました。
わたしたちも、やさしいイエスさまにお会いできますように。
(新約聖書・マルコによる福音書第5章から)