【6月の聖句】「主よ、お話しください。しもべは聞いております」

旧約聖書・創世記第1章1節


昔、ある町にサムエル君という少年がいました。その町には大きな礼拝堂がありました。そこにはエリ先生というおじいさんがいて、毎日聖書を読んでみんなに神さまのことを教えてくれたり、また困ったことがあったら一緒にお祈りをしてくださる偉い先生でした。サムエル君はエリ先生が大好きで、やがてエリ先生のお手伝いをするようになりました。
あるある晩のこと、サムエルが寝ていると、「サムエル、サムエル」と呼ぶ声がしました。サムエルはエリ先生のところに走って行きました。ところがエリ先生は「わたしは呼んでいない。帰って寝なさい」と言います。
そんなことが3回もありました。エリ先生はわかりました。これは神さまがサムエルを呼ばれたのだ、と。それでエリ先生は言いました。
「サムエルよ、今度もし呼ばれたら、『主よ、お話しください。僕(しもべ)は聞いております。』と言いなさい。」
サムエル君が戻って寝ていると、4度目にまた「サムエルよ、サムエルよ」と呼ぶ声がしました。サムエル君は起きて、エリ先生に言われたとおりに返事しました。
「主よ、お話しください。しもべは聞いております。」
そうしたら、神さまの声が聞こえてきました。呼ばれたのはやっぱり神さまだったのです。神さまはサムエル君に大切なお話をしてくださいました。
「国中の人が争いをやめて、みんなで助け合って一緒に幸せになってほしい。」
サムエル君はこうして神さまの声を聞く人になり、やがて大きくなって神さまの言葉を皆に伝える大事なお仕事をするようになりました。サムエルさんから神さまのお話を聞いた人は元気になれたのです。そうしてサムエルさんは神さまの言葉によってイスラエルの人々を励まし、守り導いたのでした。